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お祭りのトラウマ的な話

近所を散歩していると、地元の馴染みのお祭りがやっていました。私の住んでいる町に私が子供の頃から、それよりも古く私が生まれる前からやっていた。市民なら名前くらい知っている有名な季節的なお祭り。

毎年同じ時期に開催されるので「もうそんな季節か」なんてノスタルジーな気分に浸りながら祭りを少し見て回った。すると、やっぱり今年もやっていた吹奏楽演奏会。同じ市内の学校や地域の吹奏楽協会みたいな加盟団体が行う演奏会。

立ち止まりしばらくの間、演奏を聴いたていたのだが、学生さんがミスをした場面を見てしまった。会場の聴いている誰もがわかるような間違えに、学生さんは戸惑いながらも最後まで吹き切っていた。

ミスった気持ち、私にはすごいわかる。わかりすぎるくらいにわかる。超わかる。

私も学生時代に吹奏楽部に所属しており、この祭り、この場所で吹いたことがある。もう何十年も前のことだ。忘れられない思い出。良い思い出ではなく、悪い方の思い出。今でもトラウマ。

私は事情があって、1回しか出場できなかったのだけれども、その1回が問題だった。演奏の中で、私のパートはソロがあり、その1番盛り上がる場所で、思いっきりピロってミスをしてしまった。

ミスった瞬間「あやべ、やっちまった、おれしんだわ」と思った。昨日の夜何食べたかは覚えてないが、数十年前のこの出来事は今でもはっきりと覚えている。

とりわけ難しいフレーズでもないしミスるわけがない。そんな箇所。特に緊張していたわけでもないし、自分が間違えるなんて考えもしなかった。でも現実はヘビ使いのようにピロピロと間違えてしまった。それからか、なんとなくヘビが好きになった。それくらいピロピロした。レッドスネークカモンなくらいにピロピロだった。

実際、軽く死んだ。演奏後、誰も口を聞いてもらえず、完全に「お前が悪いしね」状態だった。でも仲間を責めることはできない。それほど重要な場所だった。絶対にミスは許されない。ミスする人間などいるはずがない、そんな状態。実際に曲中、私以外にミスしているメンバーはいなかった。順位を争う大会ではなく、ただの演奏会だったため、私が原因で負けるといったような最悪の事態にはならなかったのが幸いだった。

でも、たとえ私がミスしたとしても、みんな仲間だ。普通なら励ましの言葉くらいあるだろう。せめて「どんマイケル」くらい慰めの言葉もあるはず。いや、それは煽りになるかな。でも少しくらい励ましの言葉くらいあるだろう。いや、私が逆の立場だったら同じだったかもしれない。いや、どんマイケルと言ったかもしれない。数日間、誰も話しかけてこなかった。

今でもその曲を聴くと、そのミスをはっきりと思い出す。完全にトラウマ。おまけに、風邪をひいて熱がでてうなされた夜など、ミスったシーンが夢に出てくることがある。ある意味、お化けが出てくる夢よりも自分の中では怖い。

今回の祭りで遭遇した学生さんも、私と同じようなトラウマを背負って生きていくのか。それともケロッと忘れて良い学生時代の思い出となるのか。案外SNSとかに「演奏でミスちゃったてへぺろっ」なんて書いているかもしれいない。

個人的には、私と同じトラウマを一生引きずって生きてほしい。うなされて夢にでて一生の暗い思い出にしてほしい。私と数年後に居酒屋でミスった話をしたい、でも私はお酒飲まないしどうしよう。そんな闇の深い事を心の隅で思いながら、昔の出来事を思い出した。

私は今晩、この話を書いたから夢にでるんだろうな。ちょっと憂鬱。前に同じような内容書いたことあるかもしれない。たぶん、来年も同じような事を書くんだろうな。そんな私、どんマイケル。

以上、ぬむめでした。

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ぬむめ