最近、不幸が続いている。
先日、コンビニのドアに挟まったばかりだ。血が出る、捻挫したなど、身体を損傷したわけではないものの、私の繊細な心に多大なダメージを受けたのはいうまでもない。
歩いていたら、おでこに痛みを感じた。昆虫のトンボが私のおでこに激しくぶつかったのだ。最初は小石か何かが当たったのかと思ったが、すぐにブーンと羽音が聞こえ、飛び去る姿が見えトンボだと判明した。「もうそんな季節か」なんて思いもしたが、そもそもバイクや自転車に乗っていたわけではない。徒歩、ただ歩いていただけなのに。どうしてトンボがおでこに当たるのだろうか。
秋といえばトンボというくらい、私の住む地域には大量発生する生物。それは建物が少ない農村地域や郊外の話。私がおでこに当たったのはススキノという有名繁華街のど真ん中。結構な都会のはず。都会だからといってトンボがまったくいないわけではない。飛んでるのを見かけることもある。だが、おでこにトンボが当たるのは納得いかない。
そもそも、トンボは昆虫界の中でも抜群の飛行性能を持っているはず。高速で飛ぶことやホバリング(空中に止まっているように飛ぶ)もできる運動能力抜群なはず。それなのにナゼ私のおでこに当たるなんてことが起きるのか。トンボなら歩行者くらいよけるべきだし、街中ではなく草原や川辺にいるべきだ。
トンボの視界の広さは昆虫の中でもトップクラスなはず。真後ろ以外の360度近く見渡せるはず。それなのに、飛行の基本である前方注意を怠ってぶつかるのはトンボとしていかがなものだろうか。もしも私が昆虫食べるの大好きおじさんだったらどうなっていたのだろうか。おでこに当たった瞬間、口に運んで食べてしまっていたかもしれない。トンボ自身も、食べられるために生まれてきたわけではない。それなのにナゼぶつかるなんて間抜けなことをしてしまうのだろうか。
昆虫が嫌いな私には、おでこに昆虫が当たったという事実がショックであり、ちょっとおでこが痛かった。昆虫の体液がついたり死骸が付着したわけではないが、昆虫がおでこに当たったという事実はかわらない。顕微鏡レベルでおでこを観察すれば、謎の微生物が付着しているかもしれない。私は家に帰って顔を洗うまで、謎の微生物と共存することになる。このストレスによる精神的ダメージが他人には理解されることはないだろう。理解されないことについてもさらにダメージを負うことになる。
今回の件は、トンボに悪気があったわけではなかろう。だがトンボには、私が心に深い傷を負ったことを理解して欲しい。
これ以上不幸が起きないよう、注意深く生きてみます。
以上、ぬむめでした。