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名前すら思い出せない的な話

ふと、この季節になると、私には思い出す人がいます。

ですが、名前が思い出せない。名前だけではなく、顔も思い出せない。もちろん電話番号なんてわかりやしない。携帯電話すら普及していない時代の話です。今なら名前がわかればSNSなどで見つけることもできるかもしれません。でも、名前がわからない。

私が若い頃の話なので、記憶がなくなることは不思議ではありません。ですが、もしも私を知っている誰かに、私の名前を忘れられては、とても悲しいと私は思うでしょう。でも、私はその人のことを忘れてしまった。そんな理不尽なことが許されるでしょうか。

どんなに思い出そうとしても、解像度 80 x 80 Pixel くらいの超低解像度の動画のように、ボヤボヤしてわかりません。画面に霧がかかっているよう。最近のできごとであれば、フルHDで脳内再生できますが、4Kでは再生できません。私の脳はポンコツなのでしょうか。

もしかしたら、その人との思い出は、架空の出来事だった。実は存在しない人だった。そんなホラーめいた話ではありません。ただただ、思い出せない。確かに存在しました。

唯一、鮮明に覚えているのは、エロい事をした記憶のみ。

名前や顔を忘れても、エロい事を覚えているなんて、よほど凄いことをしたのかと思われるかもしれませんが、普通のです。ごくごく普通の。むしろ控えめな方かもしれません。

なぜ私は忘れてしまったのでしょうか。覚えていないのでしょうか。

仮に、思い出したしても、どうこうなるものでもありません。

別に会いたとも思わないし、声も聴きたいとも思わない。お互い、おっさんおばはんになっただろうし、会ったところで何もない。ただ、私が思い出せないのが少し悔しいだけ。

アバンチュールな訳でも無く、数ヶ月はお付き合いしていたような気もしますが、その辺の記憶も曖昧です。それなのに、なぜ私は思い出せないのでしょうか。

受験勉強などでも、何かを覚えたら復習する。そうやって記憶として脳に定着するらしいです。人の思い出もそうなんでしょうかね。私は毎年この季節に思い出しますが、思い出せない。

もっと若い頃は、すんなりと思い出せたのでしょうけど、いつの段階からか思い出せなくなったのかもしれない。いつ頃から思い出せなくなったのだろうか。毎年、この季節になると思い出すというのに。

すべて忘れてしまうのは悲しいことです。来年の今頃、また思い出す努力をしてみます。

以上、ぬむめでした。

雑記
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